2013年J2開幕!!

昨年、1年でのJ1復帰を目指していたにも係わらず、クラブワーストとなる18位(J2)に沈んだアビスパ福岡は、スロベニアよりマリヤンプシュニク監督を招聘し、新たなチーム作りを進めてきた。就任から約50日、高い位置からの厳しいプレッシャーでボールを奪い、取った瞬間から、素早くシンプルにゴールを目指すというスタイルを徹底的に植え付けてきた。そして、サポーターやメディアなどの周囲にもそのイメージはだいぶ浸透していると言えよう。

プシュニク監督は1994年より指導者として、NKマリボルやFCルダル・ヴェレニエなどのクラブチームの監督を歴任し、CMCプブリクム・ツェリエやNKマルボルの監督時にはUEFAカップへ出場するなど輝かしい実績を持つ名将である。その指導力には、プロ17年目のシーズンを迎える古賀正紘ですらも「新しい発見ばかり」と、感化を受けるほど。

なかでも最も意識が高まったのが、「ゴールを目指すことへの執着。ボールを持ったら、とにかく全員が素早くゴールを目指して動き出す」ことだったと古賀は語る。「最高の理想は、攻撃も守備も、つまり90分間にわたって相手陣内で試合をすること」だと、主将が話すように、プシュニク監督が掲げる『高い位置からプレスをかけて、奪ったら素早くゴール目指して前へ向かう』サッカーが徹底的に植え付けられれば、そうした理想的な展開に自ずとなっていくということではないだろうか。

そして迎えたアウェー味の素スタジアムでの2013年J2開幕戦はアビスパ福岡、東京Vともに、狙い通りの戦いができたといえるであろう。試合は東京Vペースで進む。前半の終了間際には今期福岡より移籍の鈴木惇がクロスバー直撃の惜しいシュートを放つが、ゴールは奪えない。後半に入っても中島を中心に福岡ゴールを脅かし続けるが、福岡が立て続けに攻撃的なカードを切ると形勢が逆転。後半28分にCKの流れから城後がヘディングシュートを決めてついに均衡を破る。守備陣も最後まで集中を切らさず、虎の子の1点を守り切り、プシュニク新監督の初陣を白星で飾った

「もっと『前からがんがんプレスに来る』って聞いてたけど、それほどでもなかった」と、東京Vの飯尾一慶が印象を口にしたが、そこにこそ福岡・マリヤン プシュニク監督の狙いがあったようだ。この試合後の会見で「城後(寿)はトップの選手というよりも、第一番目のDFだと思います」と語っているところにも、いかに高い位置からの守備を重要視しているかがうかがえる。だが、相手が攻撃に特長をもつ東京Vとなると、「無理してリスクを負わずに、低い位置からのプレスでまずは失点だけはしないように」(古賀正紘)と、この試合ではあっさりと戦い方を変えてきた

実際、東京Vの意表をついたことは事実であり、さらに結果として、「相手に攻めさせておいて、奪ったときに背後を狙おう」というプランが奏功し、後半28分の城後寿の決勝点を生んだ。こうした、“戦い方”そのものではなく、“結果”に対して追求するための戦い方の柔軟性こそが、スロベニア人新監督最大のこだわりと言えるのではないだろうか。

一方で、東京Vは“内容”に強いこだわりをもって挑んだ。「相手に攻めさせて」という、福岡の意図が良い意味ではまり、自分たちが目指す「ボールを大事に」というテンポ良いパスワークは「これまでで一番ボールがよく動かせた」。鈴木惇はゴール前までの攻撃にはある程度の手応えを感じたという。また、この試合でこだわらなければいけなかったポイントの1つに、『セカンドボールへのハードワークで負けるな』というものがあったが、そこに対してはほぼ制したと言っても過言ではないだろう。

“内容”に手応えを得た東京Vと、“結果”に徹した福岡。どちらも自分たちのサッカーを発表する初の舞台・開幕戦という場で、それぞれの顔を見せることができたと言っていいだろう。お互い、新しい監督の下どんなチームを作っていくか。戦術がより浸透しているであろう、次節の対戦が今から非常に楽しみだ
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